
ハイクオリティの事業承継
ロンドンの住宅融資の大手銀行で取り付け騒ぎが起こった。
ドイツとスイスの銀行が巨額の評価損を計上したと発表した。
中国ですら、金融機関が損失をこうむっている。
市場はパニックに陥るようになった。
そこで8月に、連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)が資金を大量に供給して、市場の動揺を抑えようと試みた。
だが、効果はなかった。
そして問題は、サブプライム・モーゲージ関連だけにとどまらなくなった。
Cグループをはじめとする大手銀行が、総額4千億ドルもの高リスクのローンを、SIV(仕組み投資会社)と呼ぶ謎めいた簿外の法人で運用していることがあきらかになった。
ローンの大部分は期間が長期にわたるが、銀行はその資金を短期のコマーシャル・ペーパー(CP)で調達していた。
ロンドンの短期金融市場が内情に気づくと、CP市場で突然、買い手がいなくなった。
そして、大手銀行の株主は、SIVがじつのところ、簿外になっていないことに気づいた。
SIVが短期資金を調達できなくなれば、銀行が資産を買い取る契約を結んでい市場が動揺する材料はこれだけではなかった。
大手銀行はレバレッジ(負債比率)の高い買収ファンドによる企業買収のために、総額4千億ドルのつなぎ融資を行う契約を結んでいた。
だがこの融資は、サブプライム・モーゲージ問題でいまや閉鎖状態にある市場で、投資家に売れるとみていたのである。
銀行は買収案件から降りようと必死になり、訴訟が相次いだ。
FRBが救援に乗り出し、9月18日に政策金利を0.5ポイント引き下げ、10月にもさらに0.25ポイント引き下げた。
これで混乱は収まり、B・B新議長の手際が賞賛され、株式市場は大幅に上昇した。
銀行はつなぎ融資の一部を市場で売るようになり、CP市場と買収市場も息を吹き返した。
市場はあきらかに行き過ぎになっていたので、ある程度の調整は不可避だったと、市場の賢人は語った。
銀行の4半期利益が一時的に落ち込むことが、市場の常識になった。
金庫の中身をよくよく調べて、少しでも問題がありそうな債権があれば思い切って評価損を計上する。
こうすれば、次の4半期からは好調な業績に戻れる。
第3・4半期決算が発表きれるようになると、問題がつぎつぎにあきらかになった。
Mの50億ドル、Cグループの60億ドルなど、評価損の合計が200億ドルを上回った。
だがこれはみな想定の範囲内だ。
悪材料が出尽くしたとの安心感が広がって、市場は上昇した。
ところがそのとき、Mの発表が市場に衝撃を与えた。
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